3年ほど前だったと思います。
友人と一緒に、都内でひらかれた、ギターのミニコンサートのために出かけました。
思いのほか、早く現地に到着してしまい、時間をもてあましてしまったので、コンサートホールの近くのファストフード店で時間をつぶすことにしました。
飲み物と軽い食べ物を頼んで、注文のものが来るまでの間、まず気付いたのが、店員同士の和気あいあいとした雰囲気です。でも決して客に不快感を与えるほどくだけておらず、見ていてほっとする感じでした。
時々、お客の前で後輩や部下をどなりちらしたり、冷たい態度を取っている店員を見ることがあり、こちらも嫌な思いをしたことがあったので、こういう店は本当に好感が持てます。
テーブルについて食べているときに、店長さんらしき人が厨房から出てきました。
店長さんも大変感じの良い方でした。
年齢は40代半ばくらいでしょうか?温厚そうな感じです。
その店長さん、私が見るからに、新人のバイトの男の子に手ほどきしているのですが、その教え方がとっても優しくて、バイトの彼も、安心して何でも質問できる雰囲気でした。
私はかねがね思っていましたが、お客の前で店員を怒ったりする上司は、もってのほかだと思います。そんなお店、もう行きたいとは思いません。
店員同士の仲がいいのも、店の雰囲気がいいのも、すべてこの店長さんの影響かな、と思いました。
それが、店の評判につながり、売り上げにもつながっていくと思います。
もともと性格のいい方だとは思いますが、努力もされていると思います。
コンサートの時間が近づいてきたので、お店を出ようと思ったら、なんと突然の雨。
濡れたくないけど、コンサートの時間は迫っているし・・・。
その会話を聞いていたのか、その店長さん、奥からビニール傘を持ってきてくれたのです。
「お客さんの忘れ物で、どうせ処分するものなので持っていってください」
と、私と友人の分ふたつ、くださいました。
ありがたくいただき、
「お気をつけて」
という店長さんとバイト君の声に見送られながら、店を後にしました。
コンサートの時間にも間に合いました。
こんなに親切な対応は初めてでした。
私も接客業をしていたので、その後見ならうようにしました。
あの店の近くに住んでいたら、絶対リピーターになります。